2016年7月21日木曜日

knznymmmyのラテン語ペラペラプロジェクト8

では実践編第4弾。今回は旧約聖書から。

post quos auferet pharao caput tuum,
ac suspendet te in cruce,
et lacerabunt volucres carnes tuas.

創世記40章19節


口語訳

今から三日のうちにパロはあなたの頭を上げ離して、
あなたを木に掛けるでしょう。
そして鳥があなたの肉を食い取るでしょう。

新共同訳
三日たてば、ファラオがあなたの頭を上げて切り離し、
あなたを木にかけます。そして、鳥があなたの肉を啄みます。


ABS
within three days pharaoh will lift up your head
- from you! - and hang you on a tree;
and the birds will eat the flesh from you.

KJV
yet within three days shall pharaoh
lift up thy head from off thee,
and shall hang thee on a tree;
and the birds shall eat thy flesh from off thee.

la bible de jérusalem
encore trois jours et pharaon t'élèvera la tête;
il te pendra au gibet et les oiseaux mangeront
la chair de dessus de toi.

今日は旧約なので原典はBHS
בעוד שלשת ימים ישא פרעה את ראשכ מעליך
ותלה אותך אל עץ ואכל העוף את בשרך מעליך


まずは文法的な解釈。
post〜の後で
quos
関 男 対 複
(18節の"3日"を修飾)
auferetremove, take away動 未 3単
pharaoファラオは名 主
caput頭を名 中 対 単
tuumあなたの形 中 対 単
acand
suspendetつるすでしょう動 未 3単
teあなたを代 対
in〜に
cruce十字架名 女 奪 単
lacerabunt引き裂くでしょう動 未 3単
volucres鳥が名 女 主 複
carnes肉を名 女 対 複
tuasあなたの形 女 対 複

そして問題点の検証。
注目点は"cruce" これはcrux=十字架の奪格単数。
キリスト教徒が大好きなあの十字架だ。
例えばcruceで画像検索しても十字架が大量にヒットする。
しかもキリストの処刑のシーンにもこの単語は出てくる。
例えばマルコ伝15章30節。私の持っているウルガタでは
salvum fac temet ipsum descendens de cruce

口語訳だと「十字架からおりてきて自分を救え」
よってcruceが十字架なのは確定

それなのに創世記40-19で
「十字架」という訳を採用しているのは
ウルガタとエルサレム聖書のみ。他は全て「樹」だ。

エルサレム聖書ではgibetと書いてある。
本来、フランス語で十字架は一般的にla croix
gibetとは何か確認してみた。
私の持っている辞書では「絞首台 磔柱」と書いてある。
そして例として「gibet du christ キリストの十字架」
とも書いてある。私が持っている辞書は
旺文社のプチロワイヤル仏和辞典第4版。
一応googleの画像検索してみた。
画像検索の結果から判断すると絞首刑の台を第一に意味するようだ。
あれ?じゃあ gibet du christ はキリストの十字架じゃなくて
キリストの絞首刑では?
le pendu乙!タロット乙! オーディン乙!

一般的な認識では樹木と十字架は別物のはずだ。
原典のBHSはどうだろうと見てみると「木」だ。
עץ
これ(↑)がBHSの中の「樹・木」だ。
本当にコレが樹木なのか不安なら
コピペしてgoogle画像検索すればいい。
ものすごい数の樹木が出てくる。
しかも創世記3章でも同じ単語は出てくる。
アダムとエヴァが「園の中央の木」の実を食べた場面だ。
ウソだと思うのならここでも見てくればいい。
英語の対訳付きのBHSだ。
だからBHSが「木」と書いているのは確定。

ではウルガタの「十字架」は誤訳なのか?というと
私の解釈ではこの箇所に関しては全部の訳が正解。
誤訳は無い。

しかし、樹木と十字架は別物では?
というのは現代人の浅はかな考え。
樹木と十字架は別物ではない。同じものだ。

過去記事でも既に書いた事だが
キリスト教美術では6世紀まで十字架が出てこない。 
むしろ、初期の教父は十字架は異教のシンボルだと言って
disりまくった。
ウルガタが書かれたのは 新約は383年。旧約は405年。
まだ十字架が神聖視される以前だ。
そもそも十字架があのプラスの形で
しかも釘で打ち付けるというのは物理的にあり得ない。
人間の体重を支えきれずに手が裂けてしまう。
だからミトラ教みたいなTの字、
いやむしろ、ただの一本柱の方が可能性は高い。
しかし一本柱にしても人間ひとりの全体重を支える訳だ。
地面を掘り返して柱を立てるのは面倒。
樹木があれば樹木を使う方が手っ取り早い。

そしてこの創世記40章19節のせいで
一本柱どころか樹木では?という可能性が更に上昇する。
元々cruxはただの樹木という意味だった(ウルガタ時代)が
後付けで「十字架」「例のプラスマーク」に改竄された疑惑だ。
しかもそのプラスマークの元ネタが異教。

しかもその一本柱or樹木でどう処刑する?という問題が残る。
一本柱だとしても人間の全体重を支えられるほどの釘があるのか?
という問題が残る。
やはり絞首刑の方が簡単・確実ではないのか?
やはり北欧神話のオーディンにつながってきた。
オーディンはユグドラシルの樹で首を吊った。
これがキリスト教の十字架と妙な一致をすると過去記事で書いた。
そして今回のgibetは「十字架」であると同時に
「絞首刑の台」でもある。
十字架はそもそも絞首刑だったのでは?
形も全然十字じゃなくて、ただの樹だったのでは?という疑惑。
絞首刑、首吊り、オーディン、十字架、キリスト。
全部つながってしまう可能性が更に上がってきた。
いやあフランス語勉強しておいてよかった。
意外な所にオーディンの突破口があるもんだ。
くさい。猛烈にくさい。これはマルセイユタロット。
これはライダーウェイトタロット
あれ・・・!! Tの字じゃないか!とことん臭い。

この創世記40章19節の臭さまだ他にもある。
ひとつには「木にかけて鳥が肉を引き裂く」という描写。
・・・これはエヴァだ! エヴァンゲリオン旧劇場版だ!
アスカが量産型エヴァと戦う場面。


ご丁寧に襲撃直前には羽を広げて鳥さんアピールをしてくださる
親切な量産型のご一行様w
ウルガタでも「鳥」はvolucresだから複数形だ。
単数形はvolcuris

ロンギヌスの槍に刺されるのは
樹木に吊るされるのとは違うのでは?というのはどうでもいい。

実際にこの後シンジはロンギヌスの槍とともに生命の樹と化した。
ついでに量産型とのバトル開始時点で弐号機の内部電源が
残り3分半というのも臭い。
33はキリストの死んだ年。つまりヤツらの大好物。
(注:本当は占星術的な意味がある)
3分半と言えば3分30秒で33につながる。
内部電源33秒では短すぎるし33分では長すぎる。
3分3秒も考えられるがあまり細かい秒だと
台詞を言っている間に2分台に入ってしまう。
ならば、もう3分半しかない。
ついでにトドメのシーンは串刺し。つまりロンギヌスの槍。

この量産型とのバトルシーンは師匠ブログにも解説がある。
リンク)師匠はゾロアスター教の鳥葬視点で解説している。 
オウム真理教の後に出てきた一番オウムっぽい物と言われた、
福音書アニメ「エヴァンゲリオン」の作品では、
鳥に模した敵(エヴァシリーズ)に食べられる姿、
空を旋回するイヌワシみたいな構図が出てきます。
あれは、このゾロアスター教の鳥葬がモチーフになっています。


師匠ブログでは鳥葬の説明だけにとどまらず
ミトラ教とは何か?ゾロアスター教とは何か?
エヴァで敵が使徒と呼ばれるのはなぜか?
アーリア人とは何か?そのあたり含めザクザク斬りこんでいく。
陰謀論を語るのなら師匠ブログは一度は見ておかないと恥をかく。
ねこた先生をも驚かせた天才・もぐら師匠のブログはこちらです!

アスカが量産型に襲撃される直前にはこういう描写があった。
ロンギヌスの槍で刺された直後。背景にシレッとピラミッド登場w
いや、これは笑い事では済まない。
この後、初号機が登場するが、ピラミッドが爆発して
十字架状の火柱を吹き上げた中から登場する。



しかも謎の嵐の渦の中心にいるという描写。
当ブログの読者ならピンと来たはず。
ヤハウェもバアルも嵐の神だ。オーディンもおるでよ

更にこのピラミッド描写の問題はまだある。
ピラミッドの中から十字架が出てきた。
ピラミッドの中からキリストもヤハウェも出てきた。
そういう描写に見えなくもない。

これは笑い話では済まない。
聖書はプトレマイオス朝のエジプトで書かれたという疑惑がある。
プトレマイオス朝のエジプトは紀元前306年〜紀元前30年。

一般には、ちょうど同じ紀元前3世紀から紀元前1世紀頃に
ヘレニストユダヤの増加に伴い、ヘブライ語の旧約聖書が
ギリシア語に翻訳されたと言われる。
これがセプチュアギンタ=七十人訳。略称LXX

ヘレニストユダヤとはユダヤ人だがヘブライ語ではなく
ギリシア語を話す人々。
また、紀元前の話なのだからキリスト以前の話だ。
だから当時は新約聖書は無い。

私(や、ねこた先生その他)が考えているのは
「既に存在したヘブライ語の旧約聖書」が
実は存在しなかったのでは?という疑惑だ。

いや、完全にゼロとまでは言わない。
過去記事でも、私自身、旧約聖書は古代クソラエルの
南北朝時代に書き始められたと推測している。
勿論、聖書のパクリ元の書物となればそれよりも更に以前だ。
「書き始めた」だけで、全然未完成だった旧約聖書が
プトレマイオス朝で大幅に加筆、書き換えされた。
それが修正というレベルでは済まない程、大規模だったので
「旧約聖書はプトレマイオス朝で書かれた」と言えるのでは?
という問題提起だ。
勿論、大規模とは具体的にどの程度大規模なのか?
具体的にどことどこがプトレマイオス朝で加筆された部分か?
それは今後の課題でもある。しかし既に判明している内容もある。

ひとつは「パロ」 新共同訳での「ファラオ」
これは先生が鋭い事を書いていた。多少省略しながらコピペ。
リンク1 リンク2 リンク3 リンク4

ねこたさんは、旧約聖書は紀元前3世紀頃の
プトレマイオス朝時代に成立したと考えてるの。
大人の世界の聖書学では紀元前6世紀頃に口伝のものを
文字にしたとか言われてるけどありゃ嘘ですな。
旧約聖書の出エジプト記を見ると、ファラオのことを
「パロ」って書いてあるでそ?
(中略)
プトレマイオス朝以前の成立はありえないかと。
ファラオ(大きな家)ってギリシャ語だからね。
エジプト語では「ベル・アア」って言うの。
もしヘブライ語の最古の写本にベル・アアと書いてなければ、
プトレマイオス朝の可能性が出てくるよ。
ねこたさんはね、大人の世界の聖書学では、
ギリシャ語の70人訳のセプトゥアギンタが紀元前70年に
成立したらしいけど、
ヘブライ語聖書の編纂とギリシャ語聖書の成立は
あまり間をあかないで成立したと思う。
プトレマイオス朝が臭いな。

では問題のBHSを見てみる。
パロ、若しくはファラオとしか読めない単語が出てくる。
参考→リンク
出エジプト1章11節のパロ。どう頑張ってもベルアアではない。

ベルアア=エジプト語=大きな屋敷。
これが本来のエジプトでの王様の呼称。
(バアルゼブブも高き屋敷の主というのをお忘れなく
日本語でも「殿様」の「殿」は「御殿」の「殿」だ。
「お宅」は「あなた、お前」を意味するが「宅=家」だ。
(キモヲタの、そっちのオタクはここ20、30年の話だ)
それと少し似ている。

ベルアアではなくてパロ。
或いはパロのギリシア語読みであるファラオ。
これが当然のように出てくるのは怪しいという先生の指摘だ。
プトレマイオス朝はヘレニズム文化=ギリシア文化系だった。
聖書がプトレマイオス朝で書かれたのならギリシア的な
表現や単語が出てきても、むしろ当然という指摘だ。

「パロ」が出てくるのは出エジプトだけではない。
日本聖書協会HPで聖書の全文検索ができる。
「パロ」は旧約限定でも100回以上出てくる。
創世記、出エジプト記、申命記、サムエル記上、
列王紀上・下、歴代志上・下、エズラ記、ネヘミヤ記
詩篇、雅歌、イザヤ書、エレミヤ書、エゼキエル書にヒットあり。

これだけヒットすれば、かなりの規模の改竄。加筆。
勿論、「パロ」だけが怪しい訳ではない。
怪しい箇所は他にもある。
例えばラクダの飼育が始まったのはいつだ?という問題。
参考→読めないニックネーム
地中海東岸地域でラクダが家畜化されたのは
紀元前10世紀では?と学術的に推測される。
参考→リンク(ナショナルジオグラフィック日本語版)
しかし聖書の中でラクダの初出は創世記12章。
アブラハムの時代だ。
アブラハムは従来の通説では紀元前20世紀頃の人物。
あやしい。実にあやしい。千年以上水増しされている疑惑。

しかもセプチュアギンタの書かれた時代は
3度のポエニ戦争が起きた時代と重なる。
(紀元前264-241、紀元前219-201、紀元前149-146)
そしてポエニ戦争=フェニキア=ユダヤの正体。

あやしい。ユダヤという捏造民族が出て来る丁度その頃に
そのユダヤ人の経典が絶賛執筆中だった疑惑。
しかもその計画立案、指揮命令者のローマを陰で操るギリシア?
(ローマは元々後進国でギリシアの植民地云々の話を思い出せ!)
聖書の中にもこれ本当はギリシア哲学視点で読まないと
意味不明じゃないのか?という箇所はある。
たとえばヨハネ伝1章。ロゴスはテオスとかあのへん。
先生は鍵を握るのはストア派、ネオプラトニズム、ドルイド
あたりでは?と推測中。
そのへんはまだまだ私自身素人。今後の課題。 
しかしネオプラトニズムと言えばプロティノスが創始者。
こいつは紀元3世紀のエジプトの人物。まーたエジプトか!
プラトンは紀元427〜347。プトレマイオス朝登場の少し前だ。
プラトンが爺さんになった頃アレクサンドロス大王が生まれている。
そしてこのアレ君の帝国が分裂してプトレマイオス朝ができた。

プトレマイオス朝はアウグストゥスによって潰された。

これだって証拠隠滅を兼ねていたのではないか?
情報漏洩を防ぐために遠い異国に発注して、
用事が済めば口封じと証拠隠滅かねて
「もう貴様に用はない」
アウグストゥスはローマ帝国初代皇帝でカエサルの息子。
厳密にはカエサルの姪の息子。カエサルは厳密には養父。

直接の親子関係は無い。

アウグストゥスがプトレマイオス朝を潰す以前から
ローマ帝国とプトレマイオス朝の間には色々と交流があった。
例えばエジプト起源のイシス教がローマで流行。
或いは絶世の美女として有名なクレオパトラは
プトレマイオス朝のファラオでしかもカエサルの愛人。

イシス教はここ(あほー知恵袋)がなかなか鋭い。
簡単にダイジェストしてみる。

イシス教は紀元前86年にローマへ流入。ローマ帝国で大流行。
イシスはローマ在来の神々と同一視された。
例えば、ミネルヴァ女神やアフロディーテ女神。

(注:ミネルヴァ=や

イシス教が流行した理由はいくつかある。
まず、エジプトは神秘的な国と見られていた事。
そして「密儀」「秘密の儀式」がウケた。

(注:ミトラ教も非公開主義だった件)

また、従来のローマの宗教と違い
イシスの儀式に女性も参加できた。だから女にウケた。

(注:キリスト教も昔は女の宗教と叩かれた)

そしてイシス教は個人主義な側面があった。
ローマの従来の宗教は家長に依存していた。
パパンが司祭でパパンが偉かった。

(注:聖書にこういう一節がある。
「私よりも父または母を愛する者は、私にふさわしくない」
マタイ伝10-37)
勿論、キリスト教の聖母マリアの元ネタのひとつはイシス教。 


ふーむ。実に臭い。エジプト要素がウケるのを見た支配者層は
二匹目のドジョウを狙ってプトレマイオス朝エジプトに
下請けでキリスト教を発注した(?)
いや、ミトラ教の記事で書いたように
そもそもイシス教もミトラ教もキリスト教も
全部世界宗教を作るための試行錯誤テストケースだった(?)
すべては「計画通り(ニヤリ」なのか?
聖書を書かせる事含めて計画通りなのか?
そしてポエニ戦争でパシリを大量ゲッツしたから
パシリの支配地域のパレスチナがピックアップされた?
「こいつらを活用するにはこういう脚本・キャラ設定がいいな」? 
一体どこからどこまでが事前計画通りなんだろう?

だから私は笑い事では済まないと書いた。
ピラミッドを突き破って
エヴァもヤハウェもキリストも十字架も飛び出してくるのは
笑い事ではないと書いた。 

エヴァ=エヴァンゲリオン初号機
(ターミナルドグマにはアダムもおるでよ
ヤハウェ=嵐の神
キリスト=シンジ=神児=神の子=キリスト
    (旧劇場版では聖痕も出ていた)
十字架=十字架型の火柱

全部ピラミッド=エジプトの象徴の中から飛び出してきている。
ソースはここですよー。メイドインエジプトですよー。
という事?

とはいえ、エジプトが本丸とは言えない。
喩えるならアポー製品みたいなもの。
まっけんとっしゅや、あいほんが中国の工場で作られたとしても
メイドインチャイナと書いてあったとしても
アポーはダメリカの会社だ。ダメリカが指揮命令・計画立案者。
中国はあくまでも実働部隊。

それと同様、キリスト教を裏返して見たら
メイドインエジプトと書いてあったとしても
エジプトが本丸とは限らない。本丸は?ラスボスは?
指揮命令は誰が出している?計画立案はいつ誰が行った?
当時はどこにいたんだろう?今現在はどこにいるんだろう?

このへんはまだまだほじくり甲斐のあるネタだ。
しかし記事が既に長くなりすぎたので今回はここまで。

最後はお約束のひと言をオナシャス。
「黒幕はキリスト教徒!」
みかん、いや、未完。

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