ミサト:何よそれ! りなっくすって何なのよ!
リツコ:りーなすの作り出した、ゆにっくすに近いおーえす、
としか言いようがないわね。
(エヴァ第弐拾話:心のかたち、人のかたち)
前回記事で説明した通り、linuxには何十、何百という種類の
「ディストリビューション」がある。
よって全部の紹介は無理。
そこで今回はメジャーなディストリビューションのみ紹介する。
とりあえずは今回紹介する7種類だけ
「なんとなく」レベルで把握すれば初心者としては合格レベル。
ディストリビューション(略して鳥)は大別すると
3つの系列に分かれる。
同じ系列内では操作方法や設定方法が似ている。
例えばvistaの設定方法と7の設定方法が似ているようなもの。
1. レッドハット系
2. デビアン系
3. その他系
以下、それらの具体的な鳥を合計7つ紹介。
RHEL=redhat enterprise linux
名前の通りレッドハット系の代表。レッドハット社提供。
業務用Linuxとして最大手。専用の資格もある。
有名企業でも導入実績あり。
例:中部電力、カシオ計算機、東京証券取引所、JAL、日産
松井証券、大和証券、京セラ、NTT、その他→ソース
ただし、有料。 Σ(゚д゚||)ガーン
毎年10万円〜40万円程カネがかかる。 Σ(゚д゚||)ガーン
よって会社専用、業務専用。
無料 キタワァ.*・゜゚・*:.。..:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。.。.:*・゜゚・*!!!!☆
centosに限らず、linux は9割以上の確率で無料。
今回紹介するlinuxはRHEL以外すべて無料。
centosは上記のRHELのコピー製品。
有償商品のコピーを無料で使う、と聞くと海賊版か?
訴訟や逮捕の心配は?と不安になるだろう。
そういう心配は一切無い。ゼロ。
元々RHELはサポートとOSをセットで販売するせいで有料。
人件費その他がかかるという事だ。
centosはボランティアサポート以外はサポート無し。
だから無料。
何しろ本家本元のredhat社がcentosの共同開発者だ。
共同開発しておきながら海賊版だ何だと訴訟するはずがない。
参考→リンク
linuxはこういう「無料だが、ボランティア」
というパターンが多い。
そもそもlinux自体、トーバルズが無償公開をした事が始まり。
「サポート無し」とは言っても不具合修正や新機能追加等の
サポートはある。
だからお子様ランチな手取り足取りを期待する奴隷でもなければ
問題ない。
むしろ、前回の記事でも、
オマカセはやめよう、ラクさ、便利さに甘えすぎた事を
反省しようと書いた。だからこういうサポートは望むところ。
名前の由来はCommunity ENTerprise Operating System
エンタープライズLinux、つまり業務に耐えうるLinuxを
コミュニティで開発する、という決意表明。
大幅に意訳すれば「みんなで作る鉄板OS」
RHELのコピーなのでRHELのお勉強をしたい人が使う事もある。
例えばRHEL系の資格を取って転職したい人など。
また、個人の家庭用サーバーOSとして定番。
商用HPでも一部centosを使っている。
不定期に新バージョンが発表され、
各バージョンは発表から10年サポートされる。
べつに業務用途やサーバー用途専用という事はない。
デスクトップ用途、例えばツイッターやDVD視聴等も可。
fedora 「ふぇどら」RHELのベータ版。無料。
サポートは修正プログラム配布と掲示板のボランティアのみ。
但し、ユーザーがwindowsと比べて圧倒的に少ないせいで
中の人がたまに掲示板に降臨する事がある。
「ええ、私がそれ作りましたけど何か?」みたいな
御本人ならではのアドバイスがたまに貰える。例→リンク
リンク先で回答しているAles Kozumplik
この人はガチでfedora開発チームのひとり。→参考
Red HatのSenior Software Engineer=上級エンジニア?
プラハ出身。facebookやtwitterも探せば出てくる。
windowsでは作者本人からアドバイスが貰える事など
永久に無いはずだ。
ベータ版なので新ソフト・新機能を詰め込みたがる傾向がある。
その代償として予想外の地雷を抱え込んでいる事もある。
しかし現実にトラブルに遭遇する事は稀。
windowsなんか存在そのものが不具合だ(嘲笑)
「重要データは常に外部HDDに保存する」等、
基本を遵守していれば特に怖いOSではない。
春と秋の年に2回リリースが基本。
つい最近(2015年11月3日)最新版のfedora23をリリースした。
名前の由来はコレ(↑)。fedora で画像検索をすれば
銭形警部が被ってそうな山高帽みたいな帽子が出てくる。
レッドハット=赤帽が開発に関与しているので
帽子つながりのネーミングになっている。
debian「でびあん」 名前の通り、デビアン系の代表。
1993年に開発開始という古株。
ここから枝分かれして多くのlinuxが生まれた。
新機能を貪欲に取り込むフェドラが「攻めのOS」ならば
debian は「受けのOS」・・・バッチコーイ!
いや、ゲフンゲフン、もとい、「守りの OS 」。
新機能の採用にはいつも消極的で
徹底的に動作確認が済んでから採用する事が多い。
そのため、周回遅れなOSではある。その分安定性が高い。
家庭用サーバーの OS としてcentos同様、定番。
無料。サポートは不具合修正とボランティアのみ。
ubuntu「うぶんとぅ」
ここ7、8年、家庭用Linux として注目を集める鳥。
リナックス入門書等で取り上げられる頻度はナンバー1。
ぐぐって答えがヒットする率も多分ナンバー1。
ユーザー数も多いので2ちゃんねる等で質問して
回答が得られる率も高い。
もちろん、馬鹿に遭遇する率もナンバー1(苦笑)
「うぶんとぅ」とは アフリカの一部の部族の言葉で
「分かち合いの精神」「助け合いの精神」とかいう意味。
アフリカ南東部には"ubuntu"という単語を持つ言語が
複数存在するらしい。
人によっては日本語の「お陰様」に近い意味だとも主張する。
(例:ubuntu magazine japan 第2号の p70で
駐日南アフリカ大使談)
ところでこの"ubuntu magazine japan"はアスキーが刊行していた雑誌。
正式に廃刊が宣言されてはいない(と思う)が、
もう2年余り新刊が出ていない。
このままフェードアウトするのだろうか?
この雑誌は公式HP上で過去記事がPDFで無料公開されている。
勿論、記載内容が既に古かったりする。
現バージョンのOSとは食い違っている事もある。
それでも無料というのは大きい。
この人が、ぶんちゃん(ubuntu)開発者のマーク=シャトルワース。
通称マー君。SSLか何かの関係で自分の会社を
VeriSign(大手の認証局)に売却したせいで大金持ちらしい。
彼がカノニカルという会社を作って、ぶんちゃん開発その他をしている。
しかし資金不足その他の理由から変な広告まがいの表示を始めたり
スパイウェアまがいの挙動を始めたり等、ここ数年迷走気味。
基本的に4月末と10月末の年二回定期的に新版をリリースする。
つい最近(2015年10月22日)最新版の15.10をリリースした。
サポート期間は基本的に9ヶ月なので
新版が出る度に再インストール若しくはアップグレードが必要。
しかし2年に一度 LTS=long term support =安定版が出る。
これならば5年間サポートされる。
勿論サポート内容とは修正プログラムの公開等の意味。
カノニカル社によるサポートもあるがこれは別途有料。
現在の最新のLTSは2014年4月発表の14.04。
気がついた人もいるかも知れないが
バージョンの整数部分はリリース年を示し、
小数点以下はリリースの月を示す。
つまり次のバージョンは16.04と内定済み。
但し過去にはリリース予定を大幅に割り込んで6.06を
出してしまった黒歴史もあるw
fedora 同様、どちらかと言えば「攻めの OS 」
ある意味においてはdebianのベータ版とも言える。
ロゴは人々が手をとりあって輪を作っている様子を
上から見た図らしい。
"linux for human being"を標榜し、意訳すれば
「すべての人にlinuxを」という主義。
具体的には、使いやすさ、敷居の低さを意識している。
日本にはubuntu japanese teamというものがあって
そこがカスタマイズしたubuntuもある。
基本的には本家のubuntuと何も変わらない。
一部日本語の文字対応の面とか「日本向け」に微調整されている。
私は本家ubuntuを使っている。
linux mint 「りなっくすみんと」
基本的には ubuntu の亜流。
但し、本家debianをベースに作ったバージョンもあり
LMDE=linux mint debian editionという。
このlinux mintは現時点ではスパイウェア騒動は起きていない。
そこでubuntuで騒ぎが起きた時に引っ越す人も多少いた。
ubuntuの亜流なのでぐぐって見つけたubuntu用の
操作や設定が通用する事もある。
特に強烈な個性や際立ったウリは無いが、逆に目立つ欠点も無い。
ある意味バランスがとれている。
無料。サポートは不具合修正とボランティアのみ。
knoppix「くのーぴっくす」
これもdebian系のひとつ。よって、ぶんちゃんの親戚。
数年前はlive cdとかrescue cdとしてよく紹介された。
ドイツ人のクラウス=クノッパー氏謹製。
KnopperのLinuxなので、「くのーぴっくす」
"nu"はどこに行ったんだろう?と突っ込んではいけない。
Linux のマスコットキャラは tux というペンギンなので
knoppixに限らず、あちこちにペンギンが登場する。
ネルフのわんこ君だけにオススメ鳥を教えちゃうにゃん♡
しかし・・・マリがガラケーなんだよなあ・・・。
初代iphone発売が2007年6月。
日本でiphone発売開始は2008年7月。
エヴァ新劇場版破が2009年6月公開。私もトシとったのかな?
ところで最初に「3. その他系」と書いた鳥が
何ひとつ出てきていない。これは意図的に紹介を避けている。
基本的にdebian系とredhat系から外れた鳥は難しい。
上級者とまでは言わないが中級者向けのものが多い。
だから今回の記事で紹介するには不向きと判断した。
では、ここまでに紹介した7つの中から
どれを使うべきかという話に移る。
結論から言えばお勧めはubuntu
ただ広告表示がどうとかunityがクソとか不安材料はある。
勿論、エフセキュアのぱよちん騒動なみの
一発アウトな事案ではないので
そんなに神経質になる事もないと私は思う。
ubuntuを勧める最大の理由はユーザー数が多いという事。
ぐぐって情報する率が高いというのは重要ポイントだ。
スパイウェア騒動が気になるのならlinux mintでもいい。
ubuntuの情報がそのまま適用できる事がよくあるから。
とはいえ、fedora/centos組がお勧めできない訳ではない。
私自身fedoraもcentosも使っている。
いや、redhat系列もdebian系列も両方使った経験から言えば
fedoraの方がubuntuよりも安定性が高い、
たとえばredhat系の方がクソエラーを吐く率が低い。
少なくともウチの環境ではそうだ。
その意味では私はfedora/centos組が好きだ。
今回ubuntuを推薦したのは、「寄らば大樹の陰」的な意味。
ぐぐった時の情報量や雑誌で取り上げられる頻度という意味。
fedora/centos組がダメだとは全然考えていない。
ただ、fedoraは先鋭的なOSなので偶に「きかん坊」になる。
ついこの前のfedora23もそうなのだがインストール段階で
画面が真っ黒になるとかグダグダする事がある。
勿論、通常インストールでは無い方法を取る事もできる。
しかし色々時間がかかるのが面倒な時は私はスッパリ諦めて
ubuntuを使う。
私は一番最初に使ったlinuxはubuntuなので
昔整理した設定項目一覧とか
先程のubuntu magazineの過去記事とか
色々あるからその気になればすぐに引越しできる。
画面表示がおかしい問題はたしか3、4年前に
fedoraがnouveau始めた頃も似た事があったはずだ。
その時も1年ぐらいubuntuかlinux mint使っていた気がする。
放っておけばそのうち新版ではシレッと直っていたりする。
だからこそ、ついこの前まで
私はfedora22とcentos7.1使っていた。
今はubuntu15.10とcentos7.1
windowsがクソだと分かっていても不平不満を漏らすだけで
何もできない奴隷とは違う。
気に入らなければさっさと外へ出て行く。
外の世界すらクソだったなら更にその外へ出て行く。
逃げまわるだけの負け犬根性ではダメだ。
必要と判断すればwindowsにすらアッサリ舞い戻る事は必要。
使うだけ使って、用が済んだらポイ捨て。
それでこそ主導権を握っていると言えるのではないか。
本当に「自由」ならば外へ出る自由だけではなく
「中へ帰る自由」だってあるはずだ。
外に出る「だけ」しかできないのは、それはただの不自由だ。
まあ、windowsは公衆便所みたいなものだ。臭すぎて不便すぎて
必要な時以外、戻ってくる気にはなれない。
だから普段は寄り付きもしないが必要と判断すれば遠慮なく使う。
使うだけ使ったらサヨウナラだ。
ホームレスじゃあるまいし住み着く気はない。
バキシリーズに出てきたunchain=アンチェインの概念に近い。
例えば、監獄に囚われた身でありながら、警官どもをアゴで使い
好き勝手に外出し、「帰宅?」する
脱獄死刑囚=お尋ね者=スペック。
牢屋をぶっ壊して行方不明になって騒動を起こしたと思ったら
堂々と帰ってきて、警察所内だというのに警官に
「出ていけ」と命じる逆説。
これか刃牙の言葉で言う「脱走ではなく外出」=unchain。
必要と判断すれば自ら警官の1人になって警察本部内をうろつく
脱獄死刑囚=お尋ね者=ドイル。
逮捕でも任意同行でも自首でもない登場。
そして本来ビスケット=オリバに襲撃される側でありながら
逆にオリバを襲撃。
私はこのへんのバキシリーズが好きだ。
特にこのドイルの警察署のシーンは好き。
この後続く、オリバの黒帯チャレンジや
渋川剛気対ビスケット=オリバ戦も好き。
これでこそmr. unchain
私がバキ全シリーズの中で一番好きなのはヘクター=ドイル。
一番の名台詞は上の肘打ちの直後に出た台詞。
「ミスターオリバに質問。ヘクタードイルは現在警視庁内にいる。
捕まっているのでしょうか?いないのでしょうか?」
その次に好きなのは渋川先生。
その次ぐらいがミスターセカンことジューン=ゲバルかな?
アンチェインがどうとか言ってた頃のバキシリーズは面白い。
そのうちamazonのアフィリエイトでも貼るから
買えばいいと思うよ。あ、いや、買ってください。
次に「フリーソフト」の定義の問題を説明しておきたい。
日本語でフリーソフトと言えば
無料ソフトの事だと思っている人が多い。
しかし厳密にはこれは間違い。
フリーソフトはソースコード(中身、設計図、レシピ)の公開や
改変の自由等もっと広い意味での「フリー」というのが
正式な意味での、本来の意味での「フリーソフト」
英語ではfree beerとfree speechの違いに喩えられる。
前者=free beer=タダのビールのfreeが
日本語で一般に言われる「フリー」ソフト=「無料」
後者=free speech=言論の自由に近い意味が本来のフリーソフト。
そして、fedora/centosは本来の意味でのフリーソフト主義である。
「無料で使っていいけども、あくまでもこのソフトの著作権は
作者が独占する。だから内部構造(ソース)は非公開にする」
というソフトとは主義主張が対立する。
そこでそういうソフトはインストールを推奨しないというのが
fedora/centosの考え方だ(禁止まではしない)
具体例をあげるとmp3。mp3は無料で使えるコーデックだが
厳密な意味でのフリーソフトではない。
そこでfedoraでaudacity(音声編集ソフト)を
インストールするとmp3未対応版がインストールされる。
「私は厳密な意味でのフリーソフト。
mp3のやり方に異議を唱える女よ」という事だ。
この点ubuntuは"linux for human being"にふさわしく
mp3含めて色々と甘い。audacityもmp3対応版が入る。
いや、それどころか、OSインストールの段階で
mp3コーデックをダウンロードするというチェック欄さえある。
free beerとfree speechの喩えを使うなら
ubuntuはfree beer派。fedoraはfree speech派。
(ちなみにフリーソフトの反対はproprietary
windowsはproprietaryの典型)
こういう事情で、いざ、音声編集でもやろうとしたら
初心者にはubuntuの方がとっつきやすい可能性がある。
これも私がubuntu/mint組を推した理由のひとつ。
また、このブログ記事を読んでいる人の中には
「linuxは軽い」とどこかで聞いて関心を持っている人も
いるかとは思う。
たとえば、XPがサポート終了になったのでlinuxを入れれば
継続利用できるのではないかと検討中の人だ。
そういう人向けに
「軽いlinux、古いPC向けのlinuxは何か?」という
テーマで少し書いておきたい。
身も蓋もない話だが「linuxは軽い」というのは過剰な宣伝。
もうちょっと正確に書けば
「linuxはwindowsよりもカスタマイズ性が高い。
だから軽くしようと思えば異常な程軽くできる」
というのが正解。
もちろん、カスタマイズの手間とか知識とか
異常な軽さの代償としての異常な不便を覚悟できるのか?
という問題でもある。
今回のブログ記事でここまで紹介してきた
centos/fedoraやubuntu/debianは
べつに軽くはない。かと言って重くもない。
メモリで言えば最低1GBは欲しい感じ。
特にデスクトップ用途の場合はCPUもcore2duoぐらいは欲しい。
では、「異常な軽さ」はいらないから
「もうちょっと」軽いものは?という事になれば、
各鳥にデスクトップ環境を軽いものに変えた亜種がある。
例えばxubuntuや、lubuntu。勿論fedora系にも亜種はある。
XFCE desktop版や、LXDE desktop版だ。
更にもうちょっと軽くという事になると
puppy linuxやtiny core linux等。
これらは標準アプリがマイナーなものだったり色々。
このへんからジワジワと不便の度合いが増してくる。
そんなにビクビクするほど不便なものでもないから
一度試すだけ試してみればいい。
少し上でも書いたアンチェインだ。
ダメならダメでやめてしまえばいい。
参考リンク「軽量linuxディストリビューション」→ wiki
更に参考でdistro watch→リンク
今回は紹介しなかった鳥も大量に紹介されている。
何百種類というのがウソではなかったと分かるだろう。
では、最後はお約束のひと言をオナシャス。
「黒幕はキリスト教徒!」
みかん、いや、未完
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