2017年2月12日日曜日

ガチKGBの黙示録3 出エジプトって何なんなん?

今回の記事には元ネタがある。
ある人が私に「腹筋崩壊ニュース」というサイトの
興味深い記事を紹介してくれた。

出エジプト記(エジプトとは言っていない)→リンク
旧約聖書とエジプトの無関係具合→リンク

この2つの記事がなかなか面白かった。
そこで一部、記事内容をパクリつつ
ガチKGBならではの考察・検証も交えて
改めてユダヤ教、キリスト教の謎を考察する。

まずは、「出エジプト記」とは本当に「出エジプト記」なのか?
という根本を問い直す所から始めてみたい。

日本語訳の聖書では「出エジプト記」と呼んでいるアレ。
英語・ドイツ語ではexodus フランス語ではl'exode
「エジプト」なんてひと言も出てこない件。
元々英単語としてexodusとは「脱出」程度の意味だ。
どこから?なんて誰も書いていないのに
勝手にエジプトから、と決めつけるのはマズイのでは?
という問題提起をしてみたい。

例えばLDOCE→リンク
ex‧o‧dus /ˈeksədəs/ noun [singular]  
a situation in which a lot of people leave a particular place
at the same time

或いはmerriam-webster→リンク
the mainly narrative second book of canonical
Jewish and Christian Scripture 
a mass departure :  emigration

やはり単語本来の意味としては「エジプトから」
というニュアンスは無い。

このmerriam-websterには面白いコラムがある。

The Biblical book of Exodus describes
the departure of the Israelites from Egypt,
so it's no surprise that the word has come to refer more generally
to any mass departure.
The word itself was adopted into English (via Latin) from Greek 
Exodos, which literally means "the road out."
The Greek word was formed by combining the prefix ex-
and hodos, meaning "road" or "way."

なるほど。exodusの語源を辿るとラテン語。
更にその語源はギリシア語との事だ。
ギリシア語の意味としてはエクソダスとは「外への道」。
べつに「エジプトから外へ脱出する道」ではない。
単に「外への道」。
ひょっとしたら「出口」的なニュアンスなのだろうか?
とりあえず「どこから?」というのは不明のままだ。

当ブログでも何回も書いているが
旧約聖書は元々ヘブライ語で書かれた。
שמות
そして、これ(↑)がヘブライ語での「出エジプト記」
シェモットと読む。参考:対訳版
直接的な意味は"names"(オンライン辞書

"names"という変な名前の由来はエクソダスの冒頭にある。
1章1節の単語の2番めがシェモットだ。
参考:私が持っているBHSでは題名が
シェモット「だけ」ではない。
ואלה
これ(↑)も付属している。
しかし各ページのヘッダーではシェモット「だけ」
目次ページでもシェモット「だけ」
この違いは何なんだろう?と調べてみると
どうもヘブライ語でexodusを何と呼ぶのかは
完全に統一されている訳ではないようだ。
ぐぐってみると他に
「セフェル・イェツィアット・ミツライム(出エジプトの書)」
「セフェル・ハゲウラー(贖いの書)」という名前でも
呼ばれると主張するブログもある。(リンク

とりあえず冒頭のシェモットが一番よく使われる名前のようだ。
オンラインの対訳ヘブライ語聖書を見ても
シェモットとのみ書かれている事がある(

冒頭部分の単語が書物全体を示す名前になる
というのは創世記と同じだ。
創世記はヘブライ語ではべレシートと呼ぶ。
この名前は第1章第1節のベレシート バラー エロヒーム...
に由来する。

という事でヘブライ語版でもやはり
「出エジプトは出エジプトにあらず」という結論になった。

勿論、キリスト教徒ならこういう見解には大反対するだろう。
単にタイトルが違ったとしても本文中でエジプト、エジプトと
連呼しているのだから
「エジプトからの」脱出なのは間違いない云々。

例えば先程も話題になったエクソダスの1章1節は
日本語版では下記の通り。(口語訳)

さて、ヤコブと共に、おのおのその家族を伴って、
エジプトへ行ったイスラエルの子らの名は次のとおりである。
ほらほら。やっぱりエジプトでしょ?
とお喜びの所ですが、非常に残念なお知らせがございます。
「エジプト」と書いてあるのは誤訳です。
しかも意図的な誤訳。要は詐欺。
なぜそんな主張がまかり通るのか?
それはCMのあとで! いや、間違えた。次回記事で!

では、お約束のひと言をオナシャス。
黒幕はキリスト教徒!

0 件のコメント: